緑のシャワー
都立光が丘公園
昨日から晴天になった
今日は、30度を超える
こんな日は太陽の陽射しを浴びるのが良い
光が丘公園の森が、サワサワと風に揺られて迎えてくれた
ここは昔、「グラントハイツ」と呼ばれる米軍将校の住宅地だった
広大な敷地だった
公園面積の数倍だったと思う
当時の樹木が残されたのだろう
カントウタンポポ自生地が柵で囲われている
しかし柵の中は雑草だらけ
これで自生地を守れているのだろうか
グラントハイツも柵で囲まれていた
鉄条網の柵だった
しかし小学生ならば通り抜けられる通り穴が掘られていた
地元の小学生はその場所を知っていた
度々、仲間と一緒に通り穴を抜けて別世界へ侵入した
抜け穴から一番近くの家にジムが住んでいた
同じ年くらいのホワイトであった
家の外で一人で遊んでいることが多く
我々が抜け穴を抜けて入ると喜んで迎えてくれた
牛乳瓶、非常に大きな瓶、を持ってきて振舞ってくれた
多くの場合、しばらくすると家の中からマームの大きな声が聞こえてくる
英語で大声を上げているが小学生でも雰囲気で理解できた
「ジム、その子達と遊んではダメです!」
マームの声が聞こえるとジムは、首を振りながら我々から離れていった
グラントハイツ内をMPのマークを付けた車が巡回していた
Military Policeである
車の上で赤と青のランプが回転していた
今のパトカーと同じである(当時の日本パトカーは、赤一色が回っていた)
我々を見つけるとランプを回転させて追ってきた
小学生の子供達である
走っても大した事は無い
しかしMPはいつまでも追ってくる(今思えば、極めてゆっくり)
息が切れる頃、グランドハイツの真ん中にある日本人食堂へ辿り着く
ここへ逃げ込めばセーフである
ここはチガイホウケン(治外法権)、当時我々小学生が知っていた言葉
日本の中のアメリカの中の日本??
この日本人食堂の中は、MPも追って来ない
うどんやラーメンを食べる事も出来た
あの食堂は、どの辺に有ったのだろう
今の公園では全く分からない
食堂から侵入した通り穴まで、MPの不在を確かめて走って帰る
子供相手なので、MPも本気で追っていたのではなく
「ここへは許可無く入っちゃダメだよ」
を教える程度に追ってきたのだろう
楽しい思い出である
現在の食堂、休憩所である
もう走る必要は無い
ソフトクリームで涼を取る
この森の木々も昔から有ったのだろう
当時は、どの様に住宅が並んでいたのか
広い空間の中にポツリポツリと家が有った様に思う
5月の爽やかな風が吹いている
END